平日の昼間に車を走らせて郊外のニュータウンへ向かい、何をするでもなくショッピングモールでお洋服を見て、何も買わずに店を出て、新興住宅地の近くを通って帰る。この家ひとつひとつに誰かの生活があるのだと思うと不思議な気持ちになる。日差しはまぶしくてあたたかくて、あのとき車で流していたカネコアヤノやミツメや、すごく空気と合っていた。彼女たちが歌う音楽は都会ではなく郊外の歌だと思っている。出身地も関係あると思うけれど(東京出身ではなかったはず)ニュータウンミュージック、新興住宅地ミュージックと名付けてそんなジャンルを勝手に作ってしまいたいぐらいだった。
今日はデパ地下で買ったうさぎのクッキーをひなたぼっこさせていた。こちらにきてもうすぐで半年がたつ。まだまだ知らない場所、お店ばかりだ。
夏は特別。定禅寺通りのイチョウ並木が爽やかに緑色になってこの街で過ごす夏に思いを馳せた。今から楽しみでしょうがない。その頃にはもっとこの景色ももっと青くなって、私は「緑のトンネル抜けて〜」と口ずさみながらこの道を歩くのだろう。
定禅寺通りからすぐ近くの珈琲家さんカウンターの後ろに並べられたカップやソーサーがとても美しい。昔ながらのお店。コーヒーは酸味少なめ、産地とか煎り方とかわからなかった。
この街をもっと好きになってしまったらどうしよう?その分関東が恋しいけれど、好きな人がみんなここにいて私を悲しませないでくれたらいいのに